【艦隊これくしょん ‐艦これ‐】 広島県呉市
艦隊これくしょん(艦これ)は、旧日本海軍の艦艇を擬人化した「艦娘」たちが活躍するブラウザゲームとして2013年にサービスを開始し、多くの提督(プレイヤー)を魅了し続けています。ゲームの舞台となる「鎮守府」のモデルとなった場所の一つが、広島県呉市を中心とする呉鎮守府です。
本記事では、艦これファンなら一度は訪れたい広島県の聖地巡礼スポットを、アクセス方法から見どころまで詳しく解説します。実在した艦艇の歴史に触れながら、艦娘たちの物語をより深く理解できる旅へとご案内いたします。
広島県が艦これ聖地である理由
呉鎮守府の歴史的重要性
呉市は明治時代から昭和にかけて、旧日本海軍の四大鎮守府の一つとして栄えた軍港都市です。横須賀、佐世保、舞鶴と並ぶ重要拠点として、多くの艦艇がこの地で建造され、出撃していきました。
特に呉海軍工廠は世界最大級の戦艦「大和」を建造したことで知られ、艦これに登場する多くの艦娘たちがこの地と深い関わりを持っています。大和、武蔵をはじめ、赤城、加賀、翔鶴、瑞鶴など、提督たちに愛される艦娘の多くが呉で生まれ、または呉を拠点に活動していました。
艦これと呉市のコラボレーション
呉市は艦これとの公式コラボレーションを積極的に展開しており、2016年には「呉鎮守府開庁130周年・日本遺産認定記念 艦これ 呉鎮守府巡り」が開催されました。このイベントでは、市内各所にキャラクターパネルが設置され、多くの提督が呉の街を訪れました。
その後も定期的にコラボイベントが実施され、艦これファンにとって呉市は「聖地」としての地位を確立しています。地元商店街や観光施設も艦これファンを歓迎する雰囲気があり、初めて訪れる方でも安心して聖地巡礼を楽しめます。
呉市中心部の必見スポット
大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)
基本情報
- 住所:広島県呉市宝町5-20
- 開館時間:9:00~18:00(入館は17:30まで)
- 休館日:火曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日~1月3日
- 入館料:一般500円、高校生300円、小中学生200円
- アクセス:JR呉駅から徒歩約5分
見どころ
大和ミュージアムは艦これ聖地巡礼の最重要スポットです。館内には戦艦大和の10分の1スケール模型(全長26.3メートル)が展示されており、その圧倒的な存在感に多くの提督が感動します。
1階の大和ひろばでは、精密に再現された大和の艦橋や主砲などの構造を間近で観察できます。艦これで大和を運用している提督なら、ゲーム内で見慣れた艦影が実際にどれほど巨大だったかを実感できるでしょう。
3階の船をつくる技術展示室では、呉海軍工廠の技術力の高さを示す資料が豊富に展示されています。艦娘たちがどのような技術で建造されたのかを学ぶことで、ゲームへの理解が一層深まります。
ミュージアムショップでは艦これコラボグッズが販売されることもあり、限定品を求めて多くのファンが訪れます。また、大和関連の書籍や模型も充実しており、お土産選びも楽しめます。
てつのくじら館(海上自衛隊呉史料館)
基本情報
- 住所:広島県呉市宝町5-32
- 開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
- 休館日:火曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日~1月3日
- 入館料:無料
- アクセス:JR呉駅から徒歩約5分、大和ミュージアムの隣
見どころ
てつのくじら館は、実物の潜水艦「あきしお」を陸上展示している珍しい施設です。艦これには潜水艦娘も多数登場しますが、実際の潜水艦内部を見学できる貴重な機会となります。
艦内は狭く、乗組員がいかに過酷な環境で任務にあたっていたかを体感できます。伊168、伊19、伊58など、艦これに登場する潜水艦娘たちの活躍を思い浮かべながら見学すると、より感慨深いものがあるでしょう。
館内では掃海艇に関する展示も充実しており、戦後の海上自衛隊の活動についても学べます。入館無料でありながら内容が充実しているため、大和ミュージアムとセットで訪れることを強くおすすめします。
旧呉鎮守府庁舎(海上自衛隊呉地方総監部)
基本情報
- 住所:広島県呉市幸町8-1
- 見学:外観のみ(敷地内は立入禁止)
- アクセス:JR呉駅から徒歩約15分、またはバスで「総監部前」下車
見どころ
旧呉鎮守府庁舎は現在、海上自衛隊呉地方総監部として使用されており、内部見学はできませんが、外観を見るだけでも訪れる価値があります。赤レンガ造りの重厚な建物は明治22年(1889年)に建てられ、艦これのゲーム画面に登場する「鎮守府」のイメージそのものです。
正門前からの撮影は可能ですが、軍事施設であるため撮影マナーには十分注意しましょう。望遠レンズの使用や長時間の滞在は避け、警備員の指示には必ず従ってください。
毎年、一般公開日が設けられることがあり、その際は敷地内に入ることができます。公開日程は海上自衛隊呉地方総監部の公式サイトで確認できますので、タイミングが合えばぜひ参加してみてください。
呉市海軍墓地
基本情報
- 住所:広島県呉市長ノ木町
- 開放時間:常時開放
- 入場料:無料
- アクセス:JR呉駅からバスで「長迫」下車、徒歩約10分
見どころ
呉市海軍墓地は、旧日本海軍の軍人や軍属が眠る墓地です。艦これに登場する艦艇に乗組していた方々も多く眠っており、静かに手を合わせる提督の姿も見られます。
墓地からは呉港を一望でき、かつて艦娘たちが出撃していった海を見渡すことができます。観光地というよりは慰霊の場所ですので、訪問の際は厳粛な気持ちで、マナーを守って参拝しましょう。
春には桜が美しく咲き、静かな環境の中で艦娘たちや実在した艦艇の歴史に思いを馳せることができます。
呉市周辺の聖地スポット
アレイからすこじま(潜水艦桟橋)
基本情報
- 住所:広島県呉市昭和町
- 開放時間:常時開放
- 入場料:無料
- アクセス:JR呉駅からバスで「潜水隊前」下車すぐ
見どころ
アレイからすこじまは、現役の潜水艦を間近で見られる日本でも珍しいスポットです。海上自衛隊の潜水艦が停泊しており、その巨大さと迫力に圧倒されます。
公園として整備されており、ベンチに座りながら潜水艦を眺めることができます。潜水艦娘が好きな提督にとっては必見のスポットで、写真撮影も自由に行えます(ただし、望遠レンズでの詳細撮影は控えましょう)。
近くには「呉艦船めぐり」の乗船場もあり、海上から呉の艦船を見学するクルーズに参加できます。所要時間は約35分で、護衛艦や潜水艦を海から眺める貴重な体験ができます。
音戸の瀬戸・音戸大橋
基本情報
- 住所:広島県呉市警固屋
- アクセス:JR呉駅からバスで約30分「音戸渡船口」下車
見どころ
音戸の瀬戸は本州と倉橋島を隔てる狭い海峡で、潮流が速いことで知られています。赤く美しい音戸大橋は呉のシンボル的存在で、艦これのイベント海域のモデルになったこともあります。
展望台からは瀬戸内海の美しい景色を一望でき、かつて艦艇が航行した海を眺めることができます。夕暮れ時の景色は特に美しく、写真撮影スポットとしても人気です。
近くには平清盛が一日で切り開いたという伝説が残る「日招き伝説」の石碑もあり、歴史散策も楽しめます。
江田島・旧海軍兵学校(海上自衛隊第1術科学校)
基本情報
- 住所:広島県江田島市江田島町国有無番地
- 見学:事前予約制のガイドツアーのみ
- ツアー時間:平日3回、土日祝4回(各回約1時間30分)
- 参加費:無料
- アクセス:呉港から船で約20分、江田島港下船後徒歩約10分
見どころ
江田島の旧海軍兵学校は、艦これに登場する艦娘たちの艦長や乗組員を育成した教育機関です。現在は海上自衛隊第1術科学校として使用されていますが、事前予約で見学ツアーに参加できます。
赤レンガの美しい校舎群は明治時代の建築で、歴史的価値が高く、見学者を圧倒します。教育参考館には旧日本海軍関連の貴重な資料が展示されており、艦これファンにとっては宝の山です。
特に特攻隊員の遺書や遺品が展示されているコーナーは、戦争の悲惨さと平和の尊さを改めて考えさせられます。見学には身分証明書が必要で、予約も必須ですので、公式サイトで詳細を確認してから訪問しましょう。
艦これゆかりの艦娘と広島県
戦艦「大和」「武蔵」
艦これを代表する戦艦娘である大和と武蔵は、ともに呉海軍工廠で建造されました。大和は1941年12月16日に竣工し、武蔵は長崎の三菱重工業長崎造船所で建造されましたが、呉とも深い関わりがあります。
大和ミュージアムでは、建造当時の秘密保持のため巨大な工場を建設した話や、世界最大の戦艦を造り上げた技術者たちの努力を知ることができます。ゲーム内で「ホテル」と呼ばれることもある大和ですが、その実像は当時の最高技術の結晶でした。
空母「赤城」「加賀」
第一航空戦隊を構成した赤城と加賀も、呉と縁の深い艦艇です。特に赤城は呉海軍工廠で大規模な改装を受け、三段甲板から現在知られる姿に生まれ変わりました。
大和ミュージアムには空母関連の展示もあり、航空母艦という艦種がどのように発展していったかを学べます。艦これで空母を主力にしている提督には特におすすめの展示です。
重巡洋艦「愛宕」「高雄」
高雄型重巡洋艦の愛宕と高雄も呉で建造されました。艦これでは愛宕の「パンパカパーン!」というセリフが有名ですが、実艦は第一次ソロモン海戦などで活躍した精強な軍艦でした。
呉市内の資料館では、重巡洋艦の発展過程や戦闘記録を詳しく知ることができます。
駆逐艦「雪風」「時雨」
「奇跡の駆逐艦」として知られる雪風や、「呉の雪風、佐世保の時雨」と並び称された時雨も、呉を拠点に活動しました。特に雪風は数々の激戦を生き抜き、戦後は中華民国に引き渡されるまで呉に停泊していました。
てつのくじら館や大和ミュージアムでは駆逐艦の役割や戦闘記録も展示されており、小型ながら重要な任務を担った駆逐艦娘たちの活躍を再認識できます。
聖地巡礼のモデルコース
日帰りコース(呉市中心部)
9:00 JR呉駅到着
広島駅から呉線で約30分、または広島バスセンターから高速バスで約45分です。
9:30-12:00 大和ミュージアム
じっくり見学すると2時間以上かかります。音声ガイドの利用もおすすめです。
12:00-13:00 昼食
呉名物の「海軍カレー」や「呉冷麺」を楽しみましょう。大和ミュージアム内のカフェや周辺の飲食店が便利です。
13:00-14:30 てつのくじら館
無料ながら見応えたっぷりの施設です。潜水艦内部の見学は必見です。
14:45-15:30 旧呉鎮守府庁舎
外観のみの見学ですが、記念撮影は忘れずに。
15:45-16:30 アレイからすこじま
バスで移動し、現役潜水艦を見学します。時間があれば呉艦船めぐりに参加するのもおすすめです。
17:00 呉駅周辺で買い物・夕食
艦これグッズや呉土産を購入し、夕食後に広島へ戻ります。
1泊2日コース(呉市+江田島)
1日目
- 午前:上記日帰りコースと同様に大和ミュージアム、てつのくじら館を見学
- 午後:アレイからすこじま、音戸の瀬戸まで足を延ばす
- 夕方:呉市内のホテルに宿泊
2日目
- 午前:呉港から船で江田島へ、旧海軍兵学校見学ツアーに参加(要事前予約)
- 午後:江田島の海軍兵学校資料館や周辺散策
- 夕方:呉港経由で広島へ戻る、または呉市海軍墓地を訪問
このコースなら、呉と江田島の主要スポットをゆっくり巡ることができます。
2泊3日コース(広島県+α)
時間に余裕がある場合は、広島市内観光や竹原市の大久野島(うさぎ島)、尾道なども組み合わせると、より充実した旅になります。
アクセス情報
広島空港から
- リムジンバスで広島駅へ(約45分)、そこからJR呉線で呉駅へ(約30分)
- または、リムジンバスで呉駅へ直行(約50分、本数少ない)
新幹線利用の場合
- 広島駅で下車し、JR呉線快速で呉駅へ(約30分)
- または広島バスセンターから高速バス「クレアライン」で呉駅へ(約45分)
車でのアクセス
- 広島市内から国道31号線経由で約40分
- 山陽自動車道「広島東IC」から約40分
- 大和ミュージアム周辺には有料駐車場が複数あります
呉市内の移動
呉市内は路線バスが充実しており、「呉市営バス」や「広電バス」が運行しています。1日乗車券(500円程度)を購入すると便利です。主要スポットは徒歩圏内にあるため、歩いて巡ることも可能です。
レンタサイクルも利用でき、呉駅前の観光案内所で借りられます。電動アシスト付き自転車なら、坂の多い呉市内も快適に移動できます。
宿泊施設情報
呉市内のホテル
- 呉阪急ホテル:呉駅から徒歩5分、大和ミュージアムにも近い好立地
- クレイトンベイホテル:呉港に面したホテル、オーシャンビューの部屋もあり
- コンフォートホテル呉:リーズナブルで清潔、朝食無料サービスあり
- ビジネスホテル清風:地元密着型のビジネスホテル、コスパ良好
週末や艦これコラボイベント期間中は混雑するため、早めの予約をおすすめします。広島市内に宿泊し、日帰りで呉を訪れる選択肢もあります。
グルメ情報
海軍カレー
呉を訪れたら必ず食べたいのが「海軍カレー」です。旧日本海軍のレシピを再現したカレーで、各店舗がオリジナルのアレンジを加えています。大和ミュージアム内のカフェ「大和」でも提供されており、艦これファンに人気です。
呉冷麺
呉のご当地グルメとして知られる「呉冷麺」は、平打ちの中華麺に甘酢のタレをかけた独特の料理です。夏場は特に人気で、市内の中華料理店で提供されています。
肉じゃが発祥の地
実は呉市は「肉じゃが発祥の地」とされています(京都府舞鶴市と論争中)。東郷平八郎が艦上食として考案したという説があり、海軍ゆかりの料理として市内の飲食店で提供されています。
牡蠣料理
広島県は牡蠣の生産量日本一を誇り、呉市周辺でも新鮮な牡蠣料理が楽しめます。冬季限定ですが、牡蠣フライや牡蠣鍋は絶品です。
お土産・グッズ情報
大和ミュージアムショップ
艦これコラボグッズが販売されることもありますが、常設ではないため訪問時に確認しましょう。大和関連の書籍、模型、文房具などが充実しており、艦これファンでなくても楽しめます。
呉市内の商店街
呉駅周辺の商店街では、艦これコラボイベント時に限定グッズが販売されることがあります。通常時でも海軍グッズや呉土産を扱う店舗があり、散策が楽しめます。
おすすめ土産
- 呉海軍カレー(レトルト):自宅で海軍カレーを再現できます
- 大和グッズ:キーホルダー、クリアファイル、Tシャツなど多彩
- 呉冷麺(乾麺):自宅で呉の味を楽しめます
- 艦船模型:プラモデルから精密模型まで、品揃え豊富
聖地巡礼の注意点とマナー
撮影マナー
- 旧呉鎮守府庁舎やアレイからすこじまなど、現役の自衛隊施設周辺では撮影に注意が必要です
- 望遠レンズでの詳細撮影は避け、一般的な記念撮影にとどめましょう
- 警備員や自衛隊員の指示には必ず従ってください
慰霊の場所でのマナー
- 呉市海軍墓地は観光地ではなく慰霊の場所です
- 大声での会話や不謹慎な行動は慎みましょう
- ゴミは必ず持ち帰り、静粛に参拝してください
地元住民への配慮
- 住宅街での大声や早朝・深夜の行動は控えましょう
- 私有地に無断で立ち入らないようにしてください
- 地元の方々の生活空間であることを忘れずに
イベント時の混雑対策
- 艦これコラボイベント期間中は大変混雑します
- 宿泊施設や飲食店は早めの予約が必須です
- 公共交通機関も混雑するため、時間に余裕を持った行動を心がけましょう
艦これイベント情報の入手方法
公式情報源
- 艦これ公式Twitter:最新のコラボ情報がいち早く発表されます
- 呉市観光協会公式サイト:呉市でのイベント情報を確認できます
- 大和ミュージアム公式サイト:特別展示やイベント情報が掲載されます
ファンコミュニティ
艦これファンのSNSコミュニティやブログでは、聖地巡礼のレポートや最新情報が共有されています。訪問前にチェックすると、効率的な巡礼ルートや穴場スポットの情報が得られます。
周辺の観光スポット
広島市内
呉から広島市内へは電車で約30分です。原爆ドーム、平和記念公園、宮島(厳島神社)など、世界遺産を含む観光名所が多数あります。聖地巡礼と合わせて広島観光を楽しむのもおすすめです。
竹原市
「安芸の小京都」と呼ばれる竹原市は、古い町並みが美しい観光地です。アニメ「たまゆら」の聖地としても知られています。呉から車で約40分です。
しまなみ海道
瀬戸内海の島々を結ぶしまなみ海道は、サイクリングの聖地として有名です。呉から車で約1時間で、絶景ドライブやサイクリングが楽しめます。
まとめ:艦これ聖地巡礼で得られるもの
広島県呉市を中心とした艦これ聖地巡礼は、単なるゲームファンの観光以上の意味を持ちます。実在した艦艇の歴史、当時の技術者や乗組員の努力、そして戦争の悲惨さと平和の尊さを肌で感じることができます。
ゲーム内で親しんできた艦娘たちが、実際にどのような艦艇だったのか、どこで生まれ、どのような最期を迎えたのかを知ることで、艦これというゲームへの理解と愛着が一層深まるでしょう。
大和ミュージアムで10分の1スケールの大和を見上げたとき、てつのくじら館で潜水艦の狭い艦内を歩いたとき、旧呉鎮守府庁舎の前に立ったとき、提督たちは艦娘たちの「声」を聞くことができるかもしれません。
呉市は艦これファンを温かく迎え入れてくれる街です。マナーを守り、敬意を持って聖地を巡れば、きっと忘れられない思い出となるはずです。次の休暇には、ぜひ広島県呉市への聖地巡礼を計画してみてはいかがでしょうか。
提督の皆さん、呉鎮守府でお待ちしています!