【スタジオジブリ】紅の豚-アドリア海沿岸・ドゥブロブニク(クロアチア)

【スタジオジブリ】紅の豚-アドリア海沿岸・ドゥブロブニク(クロアチア)
住所 Gundulićeva poljana 2, 20000, Dubrovnik, クロアチア
公式 URL https://citywallsdubrovnik.hr/

【スタジオジブリ】紅の豚の舞台アドリア海沿岸・ドゥブロブニク(クロアチア)完全ガイド

はじめに:紅の豚とアドリア海の魅力

スタジオジブリが1992年に公開した「紅の豚」は、宮崎駿監督が描いた大人のためのロマンティックな冒険譚です。豚の姿になった飛行艇乗りポルコ・ロッソの活躍を描いたこの作品は、美しいアドリア海を舞台に、1920年代のイタリアとクロアチアの風景を見事に映像化しています。

本記事では、映画の舞台となったアドリア海沿岸、特にクロアチアのドゥブロブニクを中心に、実際のロケ地やモデルとなった場所、そして聖地巡礼の方法まで詳しくご紹介します。ジブリファンはもちろん、これからクロアチアを訪れる予定の方にも役立つ情報が満載です。

紅の豚の舞台設定とアドリア海

物語の時代背景

「紅の豚」の舞台は、第一次世界大戦後の1920年代後半、イタリア・ファシズムが台頭する時代のアドリア海です。主人公マルコ・パゴット(ポルコ・ロッソ)は、かつてイタリア空軍のエースパイロットでしたが、自らに魔法をかけて豚の姿となり、賞金稼ぎの飛行艇乗りとして生きています。

この時代のアドリア海沿岸は、イタリア、ユーゴスラビア(現在のクロアチア、スロベニアなど)、ギリシャなど多様な文化が交錯する国際的な地域でした。映画に登場する美しい海岸線、入り組んだ島々、歴史的な港町は、実際のアドリア海の風景を忠実に再現しています。

アドリア海とは

アドリア海は、地中海の一部で、イタリア半島とバルカン半島に挟まれた細長い海域です。全長約800キロメートル、幅は最も狭い部分で約93キロメートル。透明度の高い青い海、美しい海岸線、そして1,000を超える島々が点在する風光明媚な場所として知られています。

東岸に位置するクロアチアは、特に複雑な海岸線と多数の島々を持ち、「紅の豚」に描かれた風景のモデルとなった場所が数多く存在します。映画に登場する隠れ家のような入り江、石造りの港町、青い海と白い建物のコントラストは、まさにクロアチアの風景そのものです。

ドゥブロブニク:紅の豚の重要な舞台

ドゥブロブニクの歴史と特徴

ドゥブロブニクは、クロアチア南部のアドリア海沿岸に位置する歴史的な港湾都市です。「アドリア海の真珠」と称されるこの町は、中世から独立した海洋共和国として繁栄し、現在もその美しい旧市街が世界遺産に登録されています。

オレンジ色の屋根瓦が特徴的な石造りの建物、完全に保存された城壁、青いアドリア海とのコントラストは、まさに「紅の豚」に登場する港町の雰囲気そのものです。宮崎駿監督は1989年にクロアチアを訪れ、ドゥブロブニクやその周辺地域を取材したことが知られています。

映画との関連性

「紅の豚」に登場する港町の風景は、ドゥブロブニクの旧市街をモデルにしていると考えられています。特に以下の要素が映画に反映されています:

城壁に囲まれた旧市街
映画に登場する港町は、石造りの城壁に囲まれており、これはドゥブロブニクの特徴的な景観と一致します。全長約2キロメートルの城壁は、13世紀から17世紀にかけて建設され、現在も完全な形で残っています。

オレンジ色の屋根
ドゥブロブニクの旧市街を特徴づけるオレンジ色のテラコッタ屋根は、映画の港町シーンにも描かれています。この統一された景観は、長い歴史の中で培われた都市計画の賜物です。

石畳の路地
旧市街の狭い石畳の路地、階段、アーチ型の通路などは、映画に登場する町の雰囲気を形作る重要な要素となっています。

港と海
ドゥブロブニクの旧港(Old Port)は、映画に登場する飛行艇が停泊する港のイメージソースの一つと考えられます。青いアドリア海と石造りの建物のコントラストは、映画の美しいシーンを彷彿とさせます。

ポルコの隠れ家のモデル:ダルマチア諸島

ダルマチア海岸の島々

映画の中で最も印象的な場所の一つが、ポルコ・ロッソの隠れ家です。岩山に囲まれた静かな入り江に浮かぶ飛行艇と小屋のシーンは、多くのファンの心に残っています。この隠れ家のモデルとなったのは、クロアチアのダルマチア海岸に点在する無数の島々と入り江だと言われています。

ダルマチア海岸は、クロアチア中部から南部にかけての約400キロメートルにわたる海岸線で、1,000以上の島々が散在しています。これらの島々の多くは無人島や小さな漁村があるだけで、映画に描かれたような隠れ家に最適な場所が数多く存在します。

具体的なモデル候補地

ヴィス島(Vis)
アドリア海の沖合に位置するヴィス島は、長い間軍事基地として一般人の立ち入りが制限されていたため、手つかずの自然が残る島です。複雑な海岸線と多数の入り江は、ポルコの隠れ家のイメージに近いと言われています。

コルナティ諸島(Kornati Islands)
約140の島々からなるコルナティ諸島は、その大部分が国立公園に指定されています。荒々しい岩肌と透明な海、人の手が入っていない自然の風景は、まさに映画の世界そのものです。

ムリェト島(Mljet)
ドゥブロブニクの北西に位置するムリェト島は、島の3分の1が国立公園となっており、緑豊かな自然と美しい入り江が特徴です。島内には2つの塩水湖があり、神秘的な雰囲気を醸し出しています。

ホテル・アドリアーノのモデル

映画に登場するホテル

ジーナが経営するホテル・アドリアーノは、映画の重要な舞台の一つです。アドリア海を見渡すテラス、エレガントな雰囲気、飛行艇乗りたちが集まる社交場として描かれています。このホテルのモデルについては諸説ありますが、いくつかの候補地が挙げられています。

候補地の検証

オパティヤ(Opatija)
クロアチア北部、イストリア半島の付け根に位置するオパティヤは、19世紀末からオーストリア=ハンガリー帝国の貴族や富裕層のリゾート地として発展しました。海沿いに建つ優雅なホテルや別荘は、ホテル・アドリアーノの雰囲気に近いものがあります。

ロヴィニ(Rovinj)
イストリア半島西岸の美しい港町ロヴィニも、候補地の一つとされています。ヴェネツィア風の建築様式、海沿いのカフェやレストラン、芸術的な雰囲気は、映画のホテルのイメージと重なります。

ドゥブロブニク周辺のリゾート
ドゥブロブニク近郊には、1920年代から存在する歴史的なホテルもあり、これらも参考にされた可能性があります。

飛行艇シーンとアドリア海の風景

映画の飛行シーンの美しさ

「紅の豚」の最大の魅力の一つは、アドリア海上空を飛ぶ飛行艇の美しい映像です。青い海、白い雲、点在する島々、そして赤い飛行艇のコントラストは、宮崎駿監督の映像美学の頂点とも言えます。

これらのシーンは、監督が実際にクロアチアを訪れた際に目にした風景をベースに描かれています。特に以下の要素が印象的です:

  • 透明度の高い青い海: アドリア海特有の美しいターコイズブルー
  • 複雑な海岸線: 入り組んだ入り江と岬が作り出す変化に富んだ景観
  • 点在する島々: 大小様々な島が海に浮かぶ風景
  • 地中海性の光: 強い日差しと明るい空

実際の風景との比較

クロアチアのアドリア海沿岸を訪れると、映画のシーンがいかに実際の風景に忠実であるかがわかります。特にドゥブロブニクからスプリットへ向かう海岸線、あるいは島々を巡るフェリーから見える景色は、映画の世界そのものです。

現代では、セスナ機や小型飛行機による遊覧飛行サービスもあり、ポルコのように空からアドリア海を眺めることも可能です。ドゥブロブニク空港やスプリット空港周辺には、こうしたサービスを提供する会社があります。

聖地巡礼ガイド:実際に訪れる方法

ドゥブロブニクへのアクセス

航空便
ドゥブロブニク国際空港(DBV)は、旧市街から約20キロメートル南に位置しています。日本からの直行便はありませんが、ヨーロッパ主要都市(ウィーン、フランクフルト、イスタンブールなど)を経由してアクセスできます。

空港から市内へは、シャトルバス、タクシー、または事前予約の送迎サービスを利用できます。所要時間は約30〜40分です。

陸路
クロアチアの他の都市(ザグレブ、スプリットなど)からは、長距離バスが運行しています。特にスプリットからは1日10便以上あり、所要時間は約4時間です。

おすすめ観光ルート

1日目:ドゥブロブニク旧市街

  • 城壁ウォーク(所要2〜3時間):旧市街を囲む城壁の上を歩き、映画に登場するような景色を一望
  • プラツァ通り:旧市街のメインストリートを散策
  • 旧港:飛行艇が停泊していそうな雰囲気の港
  • ロヴリイェナツ要塞:海に突き出た要塞から旧市街を眺める

2日目:ダルマチア諸島クルーズ

  • エラフィティ諸島ツアー:ドゥブロブニクから日帰りで行ける島々(コロチェプ島、ロプド島、シパン島)
  • ムリェト島ツアー:国立公園を訪れ、ポルコの隠れ家のような風景を体験

3日目:周辺地域

  • コトル(モンテネグロ):ドゥブロブニクから日帰り可能な美しい湾の町
  • ストン:中世の城壁が残る小さな町、牡蠣の名産地

ベストシーズン

5月〜6月、9月〜10月
この時期は、気候が穏やかで観光客も比較的少なく、ゆっくりと観光できます。海の透明度も高く、飛行シーンのような美しい風景を楽しめます。

7月〜8月
夏のピークシーズンは、天候は最高ですが、観光客が非常に多く、宿泊費も高騰します。早めの予約が必須です。

11月〜3月
オフシーズンは観光客が少なく静かですが、一部の観光施設やレストランが休業することがあります。ただし、冬の穏やかな日には、また違った魅力があります。

撮影スポットとフォトジェニックな場所

城壁からの眺望

ドゥブロブニクの城壁は、映画の世界観を最も感じられる場所です。特におすすめのスポット:

ミンチェタ要塞(Fort Minceta)
城壁の最高地点で、旧市街全体とアドリア海を一望できます。朝早い時間帯は観光客が少なく、静かに景色を楽しめます。

ボカール要塞(Fort Bokar)
海側に突き出た要塞で、青い海と城壁のコントラストが美しい写真が撮れます。

プロチェ門付近
旧港を見下ろす位置にあり、飛行艇が停泊していそうな雰囲気の港の写真が撮れます。

サンセットスポット

ブザ・バー(Buza Bar)
城壁の外側、崖の上に作られたユニークなバー。海に沈む夕日を眺めながら、映画のワンシーンのような雰囲気を味わえます。

スルジ山(Mount Srd)
ケーブルカーで登れる山の頂上から、ドゥブロブニク全体と夕日に染まるアドリア海を一望できます。映画のオープニングのような壮大な景色が広がります。

島々での撮影

ロクルム島
ドゥブロブニクから船で10分の無人島。緑豊かな自然と透明な海が、ポルコの隠れ家の雰囲気を感じさせます。

エラフィティ諸島
人が少ない静かな入り江で、映画のような風景写真が撮れます。特にシパン島の北側の入り江がおすすめです。

宮崎駿監督とクロアチアの関係

1989年の取材旅行

宮崎駿監督は、「紅の豚」の制作準備として1989年にクロアチアを訪れました。当時はまだユーゴスラビア連邦の一部でしたが、その美しい景観と歴史的な街並みに深く感銘を受けたと言われています。

この旅行で、監督はドゥブロブニク、スプリット、ロヴィニなどの主要都市を訪れ、多くのスケッチを残しました。また、飛行艇の資料収集のため、イタリアの航空博物館なども訪れています。

ユーゴスラビア紛争との関連

興味深いことに、映画の公開(1992年)の直前、クロアチアはユーゴスラビアからの独立をめぐる紛争の渦中にありました。ドゥブロブニクも1991年から1992年にかけて包囲され、旧市街が砲撃を受けました。

宮崎監督は、この美しい町が戦火にさらされていることに心を痛め、映画を通じてアドリア海の平和な風景を残したいという思いもあったと語っています。映画の反戦メッセージは、単なる物語の背景ではなく、監督の切実な願いでもあったのです。

映画公開後の影響

「紅の豚」の公開後、特に日本からクロアチアを訪れる観光客が増加しました。ドゥブロブニク市も、この映画が観光振興に果たした役割を認識しており、ジブリファンを歓迎しています。

現地の観光案内所では、「紅の豚」に関連する情報を提供しているところもあり、映画のファンであることを伝えると、特別な情報を教えてくれることもあります。

クロアチアの文化と「紅の豚」の世界

食文化

映画に登場する食事シーンも印象的ですが、クロアチアの食文化は実際に非常に豊かです。

シーフード
アドリア海沿岸では、新鮮な魚介類が豊富です。特にタコ、イカ、ムール貝、牡蠣などが名物。映画に登場するような海辺のレストランで、地中海料理を楽しめます。

ワイン
クロアチアは知る人ぞ知るワインの産地。ダルマチア地方では、プラヴァツ・マリ、ポシップなどの地元品種のワインが生産されています。ジーナが飲んでいそうな上質なワインを味わえます。

イタリアの影響
アドリア海を挟んでイタリアと向かい合うクロアチアは、料理にもイタリアの影響が強く見られます。パスタ、リゾット、ピザなども一般的で、映画の時代設定と合致します。

建築様式

ヴェネツィア様式
ダルマチア海岸の多くの町は、かつてヴェネツィア共和国の支配下にあったため、ヴェネツィア・ゴシック様式の建築が多く見られます。石造りの優雅な建物は、映画の世界観を形作っています。

地中海建築
白い石灰岩、オレンジ色の屋根瓦、緑の鎧戸という典型的な地中海建築は、映画に登場する建物のモデルとなっています。

音楽と雰囲気

クロアチアには「クラパ」と呼ばれる伝統的なアカペラ合唱があり、特にダルマチア地方で盛んです。映画に流れるジャズやタンゴとは異なりますが、海と音楽を愛する文化は共通しています。

実用情報:旅行の準備

ビザと入国

日本国籍の場合、90日以内の観光目的の滞在であればビザは不要です。パスポートの残存有効期間は、クロアチア出国時に3ヶ月以上必要です。

2023年1月よりクロアチアはシェンゲン協定に加盟したため、他のシェンゲン加盟国からの入国が容易になりました。

通貨と物価

2023年1月よりクロアチアの通貨はユーロ(EUR)です。それ以前はクーナ(HRK)でしたが、現在は完全にユーロに移行しています。

物価は西ヨーロッパに比べるとやや安めですが、ドゥブロブニクなどの観光地は比較的高めです。食事は1食10〜30ユーロ程度、中級ホテルは1泊80〜150ユーロ程度が目安です。

言語

公用語はクロアチア語ですが、観光地では英語が広く通じます。特に若い世代や観光業従事者は英語を話せる人が多いです。

基本的な挨拶:

  • こんにちは: Dobar dan(ドバル ダン)
  • ありがとう: Hvala(フヴァーラ)
  • さようなら: Doviđenja(ドヴィジェニャ)

安全と注意事項

クロアチアは比較的安全な国ですが、観光地ではスリや置き引きに注意が必要です。特に夏のピークシーズンは人混みが多いため、貴重品の管理に気をつけましょう。

夏は日差しが非常に強いため、日焼け止め、帽子、サングラスは必須です。また、城壁ウォークなど長時間歩く場合は、水分補給を忘れずに。

おすすめの宿泊エリア

旧市街内
雰囲気は最高ですが、価格は高めで、石畳の路地を荷物を持って歩くのは大変です。また、夜間の騒音が気になることも。

プロチェ門周辺
旧市街に近く、比較的静かで、価格も手頃です。レストランやカフェも多く、便利なエリアです。

ラパド半島
旧市街から少し離れていますが、ビーチリゾートの雰囲気があり、家族連れにおすすめ。バスで旧市街まで15〜20分です。

周辺の関連スポット

スプリット

ドゥブロブニクから北へ約230キロメートルに位置するクロアチア第2の都市。ローマ皇帝ディオクレティアヌスの宮殿が旧市街の中心にあり、世界遺産に登録されています。

スプリットの港も、映画に登場する港町のイメージソースの一つと考えられています。活気ある市場、石造りの建物、青い海が美しい町です。

ザダル

ダルマチア地方北部の港湾都市。特に有名なのが「海のオルガン」という現代アート作品で、波の動きで音楽を奏でます。夕日が美しい町としても知られています。

イストリア半島

クロアチア北西部の半島で、ロヴィニ、プーラ、ポレチュなどの美しい町があります。イタリアとの国境に近く、イタリア文化の影響が強い地域です。

ロヴィニは、ホテル・アドリアーノのモデルの候補地の一つで、芸術家が多く住む美しい港町です。

モンテネグロのコトル

ドゥブロブニクから南へ約60キロメートル、国境を越えたモンテネグロにあるコトルは、フィヨルドのような湾の奥に位置する中世の町です。ドゥブロブニクと同様に城壁に囲まれた旧市街があり、世界遺産に登録されています。

日帰りツアーも多く催行されており、ドゥブロブニクと合わせて訪れるのがおすすめです。

ジブリファンのための特別体験

飛行体験

ポルコのように空からアドリア海を眺める体験ができます。

パノラマフライト
ドゥブロブニク空港周辺には、セスナ機やヘリコプターでの遊覧飛行を提供する会社があります。15分〜1時間のコースがあり、映画のような視点でアドリア海を楽しめます。

パラグライダー
スルジ山からのパラグライダー体験も可能です。インストラクターとのタンデムフライトなので、初心者でも安心です。

ボートツアー

プライベートボートチャーター
小型ボートをチャーターして、人が少ない入り江を探索できます。ポルコの隠れ家のような場所を自分で見つける楽しみがあります。

カヤックツアー
ドゥブロブニク周辺では、シーカヤックツアーも人気です。城壁を海側から眺めたり、洞窟を探検したりできます。

サンセットクルーズ

夕方に出発するクルーズツアーでは、アドリア海に沈む夕日を船上から眺められます。シャンパンやワインを飲みながら、ジーナのような優雅な時間を過ごせます。

映画を深く理解するための背景知識

飛行艇の時代

1920年代から1930年代は「飛行艇の黄金時代」と呼ばれ、長距離飛行や海上輸送に飛行艇が活躍しました。映画に登場するポルコの愛機「サボイアS.21」は、実在したイタリアの飛行艇をモデルにしています。

アドリア海は、その穏やかな海面と多数の港があることから、飛行艇の運航に適した場所でした。イタリアのサボイア・マルケッティ社などが、この地域で飛行艇を製造・運用していました。

第一次世界大戦後のヨーロッパ

映画の時代設定である1920年代後半は、第一次世界大戦(1914-1918)の傷跡が残る時代でした。ポルコが戦争の記憶に苦しみ、自らを豚に変えたという設定は、この時代の「失われた世代」の象徴とも言えます。

また、イタリアではムッソリーニ率いるファシスト政権が台頭し、映画にも秘密警察が登場します。この政治的緊張感も、物語の重要な背景となっています。

アドリア海の歴史

アドリア海沿岸は、古代から様々な文明が交錯してきました。ローマ帝国、ビザンツ帝国、ヴェネツィア共和国、オーストリア=ハンガリー帝国など、多様な支配者のもとで独自の文化が育まれました。

ドゥブロブニク(当時はラグーサ共和国)は、14世紀から19世紀初頭まで独立した海洋共和国として繁栄し、地中海貿易で重要な役割を果たしました。この国際的で自由な雰囲気が、映画の舞台として選ばれた理由の一つでもあります。

まとめ:紅の豚とクロアチアの魅力

「紅の豚」は、単なるアニメーション映画ではなく、宮崎駿監督がアドリア海の美しさと歴史、そして平和への願いを込めた作品です。映画に描かれた風景は、クロアチアのドゥブロブニクとその周辺地域の実際の景観を忠実に再現しており、現地を訪れることで映画の世界をリアルに体験できます。

ドゥブロブニクの城壁に囲まれた旧市街、透明度の高い青いアドリア海、点在する島々と入り江、そして地中海の明るい光——これらすべてが、映画の美しいシーンの源となっています。

クロアチアを訪れる際は、単なる観光地としてではなく、宮崎駿監督が愛した風景、そして映画に込められた平和への願いを感じながら旅をすることで、より深い体験ができるでしょう。

ポルコ・ロッソが愛したアドリア海の空と海は、今も変わらず美しく、訪れる人々を魅了し続けています。ジブリファンにとって、クロアチアは一生に一度は訪れたい聖地と言えるでしょう。

「飛ばねえ豚は、ただの豚だ」というポルコの名言とともに、あなたもアドリア海の風を感じる旅に出てみませんか。

地図

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